従来、動脈硬化は、高脂血症や糖尿病、高血圧といった危険因子がそれぞれ単独で作用して、促進されるという考え方が主流でした。
なかでも最大の危険因子と見なされ、治療のターゲットとなっていたのが、悪玉と呼ばれるLDLコレステロールが高いタイプの高脂血症です。
しかし、LDLコレステロール値を下げても、心筋梗塞の発症を抑制できるのは30%程度だったことから、他の危険因子にも焦点を当てた研究が、盛んに行われるようになりました。
さらに、中性脂肪や善玉のHDLコレステロールなど、LDLコレステロール以外の脂質のリスクについても関心が向けられるようになりました。
その後、研究がすすみ、糖尿病や高血圧、肥満、中性脂肪、HDLコレステロールは、それぞれ単独でなく、互いに関連しあって動脈硬化を促進するのではないかと考えられるようになってきました。
そして、1980年代後半頃から、内臓脂肪症候群、シンドロームX、インスリン抵抗性症候群、死の四重奏といった動脈硬化の危険因子の新たな概念が、日本やアメリカなどで生まれてきたのです。
これらの概念は、その中心となる危険因子にこそ差がありますが、いずれも軽度の生活習慣病が重なって、動脈硬化を促進させるという考え方に基づいたものです。
その中でもアメリカのリーブンという研究者が提唱した概念が最も広く評価され、今日メタボリック・シンドロームとして世界中の注目を集めています。
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